「憲法改悪と安倍『教育再生』にどう立ち向かうか」と題して行われた「教育の夕べ」での中嶋哲彦名古屋大学教授の講演では、「自民党憲法改正草案の条文に、改憲勢力の『本音』が見える」と9条や25条、26条がとりあげられました。
「『国防軍』を掲げ、『自衛権の発動を妨げるものではない』と言い、『領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保』という、戦争する気満々の9条改正案」「それに続く26条(教育に関する権利及び義務等)では、『権利としての教育』から『国が求める国策遂行の手段』としての教育への変質の意図が透けて見える」とー。
「26条改正案に3が加えられ、『国は、教育が国の未来を切り拓くうえで欠くことのできないものであることに鑑み、教育環境の整備に努めなければならない』としているのがそれ」。昨年10月には教育再生実行会議が高校と大学の接続について答申。大学入試についても「再構築」が必要とし、エリートコースとノン・エリートコースに切り分けようとしている。大学も格付けで分断が図られ、一握りの選ばれた大学には、選ばれた高校からしかすすめなくなる。
高校でこうした「振り分け」が行われることになれば、小学校期、中学校の子どもたちもいままでどおりというわけにはいかなくなる。もはや、「迷いながら」「悩みながら」すごし、人間として成長する、かけがえのない青年期は、なくなる。
これと国家主義的・規範主義的国民統合(道徳の教科化)とが重なれば、まさに「国策遂行の手段」としての教育が現れる。
「修身が筆頭教科だった時代が想起される」「いちばん大切にしなければならない子どもたちの育ち、豊かな学びが奪われることになる。それは、なんとしても阻止しなければ」という熱い訴えでした。