テーマ討論⑤ 学校、地域で「アイヌ民族」を学ぶ アイヌ文化振興法から17年、アイヌを先住民族と認める国会決議から6年。今年は小学校社会科副読本における「アイヌの人たちの歴史・文化等」の記述内容の分析と学習状況の交流を柱に、アイヌ民族をめぐる教育がどのように展開されてきたかを検討しました。3名の大学生から、家庭や地域におけるアイヌ文化との出会い、学校でのアイヌ学習の体験について報告をうけ、学校教育の果たしてきた役割、現状と課題について討論を深めました。「人権・民族と教育」分科会の共同研究者の方は、道内の社会科副読本でアイヌの歴史や文化がどう記述されているかを報告。全体として記述内容が改善されていることが示されました。討論では、副読本編集の経過と学校現場での活用状況について特別発言があり、小学校段階でのきっかけづくりの重要性が再確認されるとともに、その後の中高大での体系的な歴史・文化学習のあり方について活発な意見交換が行われました。
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テーマ討論④ 教職員で支え合い、子どもたちの学ぶ喜び、豊かな学びをめざして
テーマ討論④ 教職員で支え合い、子どもたちの学ぶ喜び、豊かな学びをめざして では、高校の先生から「競争主義や成果主義が薄く、生徒の問題でほとんど困ることのない地域です。子どもたちが転校生をうまく受け入れ、みんなでつつみこむことが自然とできている」と紹介がありました。職場では組合員が増え、危機感や問題点を共有することができるようになったことも述べられました。フロアーからは、「教師が教科書に縛られた授業をしている」「授業での問いと答えが近すぎて、自由に考える時間がない。日本の教師は思考停止状態」などの指摘が出されました。学力テストなどによる競争主義教育で、多くの教師や子どもたちが苦労しています。参加者がパネラーから多くのヒントをいただいたテーマ討論となりました。
テーマ討論③ 安心して“たすけて!”といえる子ども・保護者・教職員・住民の関わりあいをめざして
テーマ討論③ 安心して“たすけて!”といえる子ども・保護者・教職員・住民の関わりあいをめざして では、 スクールソーシャルワーカーの方から「子どもの“たすけて!”をたぐっていくと、離婚・失業・単親家庭・保護者の病気などにたどり着きます。先生の“たすけて!”をたぐっていくと、不登校・勉強からの逃避・暴力・あれなどが出され、たぐっていくとやはり保護者家庭の困難にたどり着くことが多い」と報告がありました。「保護者の教育相談で語り合っていくといつの間にか相談者自身の相談になることがしばしばです」とも述べました。コーディネーターの方は「告発型ではなく“たすけて!”という声に応える取り組みから学びあおうという場になったのではないか。子どもの貧困は、親……社会の貧困。子どもの貧困をなくす運動を進めていくことと“たすけて!”を支える取り組みの両面が求められているし、その取り組みにより、支えられた人が支える側に立つことも展望できるのではないか」とまとめました。
テーマ討論② 「若者の進路と社会」~働く、学ぶ、つながる、生きる~
テーマ討論② 「若者の進路と社会」~働く、学ぶ、つながる、生きる~ では、中小労連・札幌地域労組の方が「ブラック企業に光を!俺たちは奴隷じゃない!立ち上がった若者たち」と題してあきらめないでたたかい、勝利した若者たちのたたかいをレポートしました。また、中学校における進路教育、保護者・学生の立場で考える若者のいまと進路について中学校の先生、また高校のPTA、学生ユニオンの方がレポートして質疑が行われました。「30歳まで生きられれば、後はどうでも」という中学生、「就活を中心とした価値観に縛られ、『良い会社に就職する』ことを至上命題に、『企業から求められる人材になる』ことを自分に課す大学生」の現状が語られる一方で、「高校で背中を押してくれた先生の存在が自分を変え、人生に道をひらいてくれた」という話もあり、あっという間の2時間半が終わりました。
テーマ討論① 「暮らしの中の憲法」を広げるために
テーマ討論①「暮らしの中の憲法」を広げるために では憲法の最高法規制をめぐって、「立憲主義」「理念としての憲法」など、改めて憲法とは何であるかを考えさせる議論となりました。同時に、参加者それぞれが憲法を意識して憲法と向き合い行動するようになった経緯が交流されました。平和教育への関心、生活保護受給をめぐる訴訟、知的障がいを持つ子どもたちとの日常、朝日訴訟について学んだ経験などなど大学生からの発言も含め、多様な角度から暮らしの中で憲法を意識し、正面から向き合っている実態が見えてきました。憲法の大切さを伝える難しさもあるけれども、暮らしの目線から自分の言葉で憲法の大切さを伝えていく努力を積み重ねていくことの大切さが話し合われました。